5つ前のエントリでとりあげたITmediaの記事
なぜ起こる? 「炎上」の力学 については、各所で話題になっているようです。たとえば
ネット上の「炎上」の力学を考察する(スラッシュドット ジャパン)
でも活発に議論されています。この中で
燃えやすいゴミがあるからといって、放火していいわけではないというタイトルで、炎上させる側の人々を批判している方がいらっしゃいます。私の意見もそれに近いです。
実際、炎上しても仕方ないようなケースと、そうでないケースがあると感じます。
たとえば、交通事故を起こしそうになって転倒して自分のスクーターのエアロパーツを破損した人が、仕返しに相手の車のパーツまで破損してしまう行為は明らかな法律違反。このような行為を自己のブログに載せてしまったら、叩かれても仕方が無いかな、とは思います。
しかし、皮膚病患者を「ミイラ」と中傷したケースは微妙。勝手に撮った他人の写真を出すことは法に触れる可能性があるものの(ただし出し方によっては無問題)、中傷自体は、普遍的に悪であるとは言い切れないからです(そう思う理由は
5つ前のエントリに書きました)。
【参考サイト】
炎上 -Wikipedia- 以上の例はいずれも非有名人ですが、これが実名の有名人となると、どう考えても本人は悪くないのに、批判コメント殺到→炎上、となる場合があります。私の知っている範囲での最もひどい例は、約1ヶ月前の
上村愛子オフィシャルブログの件。経過は当時のJ-CASTニュース
炎上・上村愛子ブログ それでも閉鎖せずに書かれていますが、ごく簡単にまとめると、次のようになります。
○ 上村愛子さんが8月2日ボクシングの亀田興毅選手が世界王者になった試合について「亀田くん、よかったね、がんばったね」という内容のエントリを書く
↓
○ 翌日になって上村バッシングのコメントが殺到して炎上
↓
○ 上村さん側は一切の削除をすることなく「ボクシングの判定基準もぜんぜん知らないのに軽々しくコメントしてしまったんだと思って反省しています」という内容のエントリを書いて炎上終息
最初の上村さんのエントリには何の問題もありません。抗議する人の神経を疑います。仮に亀田選手の試合の判定に八百長があったとしても、試合を観戦して「よく頑張った」という感想を抱くことは決しておかしくありません(少なくとも、リング上ではボクシングをしているわけですから)。
私なら批判コメントを全削除するところですが、タレントでもある上村愛子さんは大衆の心証に配慮して“非”を認め謝罪する道を選びました。しかし、私は謝罪文の内容に不満。
「ボクシングの判定基準もぜんぜん知らないのに軽々しくコメントしてしまったんだと思って反省しています」
これ、反省の理由としては筋が通っていないと感じます。ボクシングに無知な人がボクシングについてコメントしてはいけない、というのは極端ですし、そもそもこの試合の場合、判定ルールを熟知していれば亀田勝利でもおかしくないという結論になるわけですから。
要するに、この件で上村選手が謝る筋合いなど皆無。有名人の処世術としては賢いのでしょうが……
最近の日本のインターネットには、自分が気にくわない意見だからという理由だけで、批判を殺到させようとする人々が存在するようです。本来炎上すべきでないブログに火をつけるのですから、「ブログ炎上マニア」とでも呼んでおきましょうか。「ブログ放火魔」でも良いのですが、さすがに表現がキツイ? いずれにしても、ブログ主の自由な言論を最重視する立場の私から見れば、非常に好ましくない連中です。
posted by D Slender at 00:00
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