身投げ実写映画に賛否=「闇に光当てた」「猟奇的」−金門橋で撮影(時事)
米サンフランシスコにあるゴールデンゲートブリッジ(金門橋、全長約3キロ)からの身投げシーンを実写したドキュメンタリー映画「ザ・ブリッジ」がこのほど完成した。劇場公開を控えて同市内で上映会が開かれ、賛否両論が沸き起こっている。
投身自殺問題を映画化したのはドキュメンタリー作品で知られるエリック・スティール監督。2004年、橋の両端に固定したカメラを回し続け、計23人が身投げする瞬間を撮影した。今回の作品には、数人分の生々しい投身映像や、遺族らの証言が盛り込まれている。
上映会では「暗い問題に光を当てた」と称賛する声が上がる一方、市議会には「猟奇的」「模倣者が増える」との批判が殺到している。
日本での「完全自殺マニュアル騒動」を思い出しました。『完全自殺マニュアル』は今は18禁扱いになっていますが、発売された1993年当時はメディアでの賛否両論が渦巻き、かなりのブームになったものです。
この種の作品に対する絶対的な善悪判断は困難な場合が多いと思います。『完全自殺マニュアル』にしても、本の方法を模倣したと思われる自殺者が現れる一方で、本を読むことで精神が安定して自殺を思い留まったというケースもあります。私自身、『完全自殺マニュアル』は何度も読み返しました。私の場合、自殺願望とまでは行きませんが、非常に落ち込んだときにこの本を読んで、気分が落ち着いたりしたものです。
だから、賛否両論が出ることはある意味で健全だと思います。捉え方は人それぞれ。米国の「ザ・ブリッジ」も是非観てみたいものです。