米ハリケーン死者、数千人か ブッシュ大統領「史上最悪の自然災害」
米南部のルイジアナ、ミシシッピ州などを直撃した大型ハリケーン「カトリーナ」による被害は三十一日もさらに拡大し、市街の八割が冠水したニューオーリンズ市(ルイジアナ州)のネージン市長は「死者は数千人の可能性がある」と語った。ブッシュ米大統領は同日、「全米史上最悪の自然災害。復興には数年かかる」と事態をきわめて深刻に受け止める声明を発表し、緊急の予算措置をはじめとする復興支援に全力を挙げる方針を表明した。今のところ“可能性”の段階ですが、熱帯低気圧で数千人が亡くなるとは、驚きです。「全米史上最悪の自然災害」というのは正にその通りだと思います。「カトリーナ」の強さはルイジアナ州に上陸する直前に最強の「カテゴリ5」から「カテゴリ4」に“格下げ”されたのですが、それでもこの被害状況。もしも「カテゴリ5」のまま上陸していたらどんな事態になっていたでしょうか……
以上の通り、ブッシュ大統領は「カトリーナ」による被害を非常に深刻に受け止めています。国の最高責任者として当然のことなのですが、立場が異なれば次のような見方もできるようです。
米CEA委員長「ハリケーン被害、経済への影響は軽微」(日経)
米大統領経済諮問委員会(CEA)のバーナンキ委員長は31日、大型ハリケーン「カトリーナ」の被害について「メキシコ湾岸の経済に影響を与えるのは明らかだ」と認め、原油価格の高騰についても「厳しい状態にある」との懸念を表明した。ただ「エネルギーやインフラへの打撃が一時的なものにとどまる限り、米経済に与える影響はそれほど大きくないだろう」とも述べた。
直接被災した人の生活には深刻な影響を与えるが、国全体の経済にとっては大したことない、ということ。実際その通りなのでしょうし、楽観的な見方を表明しておかないと景気減退の恐れがある、という判断での発言だとも思われます。