2005年07月17日

職場検診のX線検査廃止か?

大抵の職場では、年に1回健康診断を実施します。これは、労働安全衛生法という法律によって、事業者に実施が義務付けられているものです。

【参考サイト】
A. 労働安全衛生法(健康診断についての規定は第66条)
B. 健康診断について(吉川社会保険労務士行政書士事務所)

個人的に、健康診断の義務付けは大迷惑。撤廃して欲しいと思っています。私の職場の場合、健康診断の日は早く起きなければならず、その分だけ睡眠不足になります。むしろ健康に悪いような気がします。健康診断をしているか否かにかかわらず、病気になるときはなるのが運命なので、放っておいて欲しいものです。それに、職場健診では見つからない病気も多いと思われます。

サイトBでは、「健康診断を実施しないことの”リスク”」について、次のように記されています。
このような健康診断を行っておかないと、「ストレス性のうつ病」や「過労死」などの問題が起こった場合、事業主の”安全配慮義務違反”として、責任を問われ、労働者や労働者の遺族から、多額の損害賠償金を請求される可能性があります。
  労働者の過労死と使用者の安全配慮義務
また、健康診断やその後の措置を怠った結果、「過労死」や「重大な事故」などが発生した場合、”労働安全衛生法違反”として、起訴される可能性もあります。

こんな考え方が現代日本の法律の世界では標準なのでしょうか? だとしたら、愚かな考え方がまかり通っているものです。過労死や事故の際、企業に責任があるか否かは実質的な業務内容のみから判断すべきであり、健康診断の実施の有無から判断するのは筋違いだと思います。健康診断をやっていれば過度の激務を課しても許容される、とでも言うのでしょうか?

さて、私の「健康診断不要論」はここまで。

今朝、次のようなニュースが報じられました。
胸部X線:健康診断で廃止検討、有効性に疑問 厚労省(毎日新聞)

胸部X線撮影だけでも廃止されるなら、喜ばしいことですが、そう簡単にはいかないようです。
胸の病気の早期発見を名目に毎年1回、職場の健康診断で実施されている胸のエックス線検査について、厚生労働省は法的義務付け廃止の検討に入った。検査の有効性を示す証拠がないためだ。すでに専門家による検討会(座長・工藤翔二日本医大教授)を設置しており、結論次第で来年度にも廃止する。しかし廃止で1000億円規模の影響が出るとみられる業界は、検討会で「有効だとの証拠はないが、有効でないとの立証もない」と猛反発。日本医師会の委員も同調しており、最終調整は難航しそうだ。

なるほど。X線検査で儲けている業界や医師にとっては、検査廃止は収入の大幅減につながるわけですか。

検討会では矢野栄二委員(帝京大医学部教授=公衆衛生学)が、職場健診での肺がんの発見率は低く見落としが多い▽他の病気も検査以前に症状が出るなどで健診で探す意義は薄い▽エックス線被ばくの影響で発がんする人が延べ数万回から10万回の受診に1人出ると推計される−−と指摘。利益と危険のバランスを考え、義務を廃して特に必要な人だけを検査すべきだと主張している。

私が思っていた通り、職場検診の意義の薄さを主張する専門家も居るのですね。

この問題は、今後も揉めそうな予感がします。個人的には、何とか廃止の方向に進んでほしいと思います。
posted by D Slender at 11:56 | シンガポール ☔ | Comment(1) | TrackBack(1) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
がん検診とか職場検診の有効性があるのでしょうか。
今回職場検診の縮小が検討されていますが、私のホームページ
「検診と放射線」では、厚生省の人口動態統計・悪性新生物死亡統計を調べて放射線の危険が小線量被曝でもかなり高いことを主張しています。胸部検診では肝臓・胃も被曝しますが、
1)昭和一桁世代の肝がん増加は1955年に結核検診が始まり、当   
時の被爆線量がかなり多かったことによる。
2)1972年に小中高の学校検診が中止になって、白血病死亡率が戦前のレベルまで減少した。
3)1972年に20才で学校検診を受け続けた世代と1972年に6才以下で検診を免れた世代を追うと、40才に達した時後者の肝がん死亡率が半減している。前者の就学期間中の延べ被曝線量は200ミリシーベルト以下であるので、これから推定すると、被曝リスクは100倍以上高い。
白血病の増加は今も続いていて、高令者ほど著しい。これは高令者の被曝リスクは低いとする説には合わない。高令になると染色体異常が多くなるのに、白血病のリスクは低いとする説も不合理。
なお、昨年に終わった被曝による肝炎の訴訟では被曝のリスクはかなり高いと判断しているので、今後は被曝は無害とする意見は通らなくなると判断しています。判決文中の「当裁判所の意見」でのペトカウ効果を参照して下さい。裁判記録のアドレスも記入してあります。
また最近国際放射線防護委員会では一般人の年間被曝許容線量を半減するとのことで、この理由として原子力資料室のホームページで低線量被曝によるバイスタンダー効果が取り上げられていますが、これも参照してみて下さい。乳房撮影の線量規制も1ミリシーベルトから半減して0.5ミリシーベルトになるようです。
Posted by 眞鍋 攝 at 2006年08月21日 16:25
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

purpose of medical checkup
Excerpt: 何の疑問もなく、一年に一度、胸をはだけていたが、来年からはなくなる?胸の病気の早期発見を名目に毎年1回、職場の健康診断で実施されている胸のエックス線検査について、厚生労働省は法的義務付け廃止の検討に入..
Weblog: 『寸胴鍋の秘密』
Tracked: 2005-07-17 20:30
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。