【参考】Anisakis(あえて英語版Wikipedia)
さて、「Anisakis」を「アニキサス」だと思っている人が少なからず存在することについ先程気づきました。これは先日とりあげた「tissue」→「ティッシュ」の件とはレベルが異なり、完全に“誤り”に属する事例だと思います。
Googleで検索してみましょう。
アニサキスで検索:現時点で69400件
アニキサスで検索:現時点で1320件
「アニキサス」の件数はさほど多くないようにも見えますが、専門的なサイトでも「アニキサス」と書いてある場合があるのが悩ましいです。福井県医師会のpageに至っては「アニサキス」と「アニキサス」の両方が書かれていて、思わず「どっちやねん」とインチキ大阪弁で突っ込みたくなります。
ところで、言葉を誤って覚えたり“誤用”したりする場合、大抵何らかの合理的な理由があるものです。
たとえば、「tissue」の場合、日本人にとって原語に忠実に「ティシュー」と発音するより「ティッシュ」の方が言いやすいのでしょう(この場合は誤りとは言えませんが)。
本来は「怒り心頭に発する」なのに「怒り心頭に達する」だと思っている人が多い件の場合、「心頭」を「心の先頭すなわち表層心理」という意味に捉えるなら(辞書的にはそんな意味はありませんが)、「心の奥から湧き上がった怒りが表層意識に達する」と考えれば、「怒り心頭に達する」の方がずっと自然な表現だと思います。
【参考リンク】「怒り心頭に達する」は「頭に来る」とオーバーラップするので自然であると論じるブロガーの方もいらっしゃいます。説得力ある意見だと思います。
怒り心頭(続・ささかま徒然ブログ)
では、Anisakisを「アニキサス」だと思う人の存在理由は何でしょう? 2つの仮説を立ててみました。
仮説1:「兄貴刺す」を連想するので「アニキサス」の方が自然
仮説2:往年の名曲「キサス・キサス・キサス」を連想するので「アニキサス」の方が自然
もっと良い説があるかも知れません。
以上、途中からは冗談交じりのエントリをお送りしました。