予め、靖国問題に対する私の考え方を書いた過去記事へリンクしておきます。
靖国問題と為政者の責任|「内政干渉だ」では説得力が無い
私の主張の要旨は次の通り。
「靖国問題は宗教論争なので、参拝賛成派が反対派を理論的に納得させることは絶対に不可能(逆も同様)」
「首相が参拝するか否かは、自身が決断すべきこと」
「しかし、国益を考えると、参拝は止めたほうが良い」
最後の「国益」に関して一つ補足しておきます。中国の現政権には政治的な問題点が多々あるので、仲良くするのが望ましいとは思いませんが、経済関係に支障を来たすほどに関係を悪化させるようではマズイと思うのです。
ここからが本題。日韓国交正常化40周年記念の講演会で、中曽根元首相が靖国参拝に釘を刺しました。
中曽根元首相:首相に参拝中止促す 都内での講演会で(毎日新聞)
「(A級戦犯を)分祀(ぶんし)するのが一番いいが、時間がかかる。ならば参拝をやめるのも一つの立派な決断だ」と述べ、首相に参拝中止を促した。
「個人の信念を貫くことも立派だが、そのことが国家全体の利益にどういう作用を及ぼしているかを考えるのも最高責任者の大事なポイントだ」と述べ、小泉首相の参拝継続が国益を損なう可能性を指摘したうえで「(参拝を)やめるということはやる以上に勇気を要する」と首相に決断を求めた。
今回の靖国問題に関しては、中曽根氏と私の主張は見事に一致しています。ただ、中曽根氏は自らの在任時に公式参拝を行うなど、基本的には靖国参拝に理解がある人です。だからこそ昨日の発言には意義と重みがあると思います。「(参拝を)やめるということはやる以上に勇気を要する」という発想は、私からは出て来ません。
読売の記事には、靖国問題以外でも興味深いことが書かれていました。
A級戦犯の分祀か参拝中止を…中曽根元首相が講演(読売新聞)
日本の竹島について、金氏は「日本が(韓国による)実効支配の現状を認め、(領有権問題は)未解決ということで納めておく方法はないのか」と述べ、中曽根氏も「政治家は(この問題に)あまり触れないのが賢明な政治的解決だ」と語った。
以前のエントリ竹島問題早分かりで書いた通り、仮に国際法上で領有が正当だとしても、そのように主張するだけでは通らないのが領土問題の現実であり、難しさなのです。首相を長く務めた中曽根氏ならではの実感なのでしょう。
