駅のエスカレーターから男性突き落とす 東京・亀有(msn産経ニュース)
一部引用します。
同署によると、電車内のシルバーシート付近で携帯電話を操作していた女性に男性が注意したところ、丸井容疑者が「言い方がひどい。言い過ぎだ」などと仲裁に入り、口論になったという。男性は亀有駅で降りたが、丸井容疑者が追いかけた。2人に面識はなかった。
登場する3人の中で違法行為を犯しているのは容疑者だけです。容疑者が最も悪いことは大前提とした上で、この記事に関する所感を以下に書きます。
優先席付近での携帯電話電源オフは、鉄道会社が明文化した一種のルールですが、法的拘束力のないお願いレベルのものです。すなわち強制力のないローカルルールに過ぎません。しかも、電源onだけで他人に物理的な被害が及ぶ可能性は今やほぼゼロです(参考:これとかこれ)。ですから、男性は女性に注意すべきではなかったと思います。どうしても携電使用を咎めたければ、鉄道会社の社員に通報するしかないでしょう。
ですから、仲裁を試みた容疑者に対し、私は若干の共感を覚えるのです。とは言え、電車の外まで追いかけるのはやり過ぎですし、エスカレータから突き落とすなど論外ではありますが…
やはり、マナーレベルのことで他人に注意する行為は危険だと思います(関連エントリ:御茶ノ水駅警官転落事件への所感)。
ところで、若干話は変わりますが、引用した産経記事内の「シルバーシート」という表現が気になりました。JR東日本では1997年から公式に「優先席」表記に切り替えていて、「シルバーシート」は用いていません。JR東日本以外でも現在はほぼ「優先席」のはずで、未だに「シルバーシート」を使っている交通機関は私が知る限り存在しません。産経記者はこの状況を知っているのでしょうか? 知らないとすれば、メディアにかかわる人間としては認識不足だと思います。知っていて、あえて「シルバーシート」の方が読者に馴染みがあると判断して使っているとすれば、それはそれで一つの見識ではあります。ただ、私の中では「シルバーシート」という言葉はとうの昔に死語になっています。