柔道で重体の生徒、介護費60年分求め県など提訴へ(読売新聞)
福島県須賀川市の市立第一中学で2003年、当時1年生の女子生徒(15)が柔道部の練習中に頭を打って意識不明の重体となった事故で、学校側が安全配慮義務を怠ったなどとして、女子生徒と両親が、県と市、けがを負わせた元男子部員(16)とその母親(48)を相手取り、31日、今後約60年にわたる介護費用と慰謝料など約2億3000万円の損害賠償を求める訴訟を福島地裁郡山支部に起こす。
訴えによると、03年10月、顧問の教諭らが不在の練習中に女子生徒が足を痛めたため休憩を取ったところ、部長の男子部員が怒り、女子生徒を投げたり、けったりしたうえ、数回にわたって道場の畳に頭から落とした。女子生徒は間もなく意識を失い、病院に運ばれたが、急性硬膜下血腫(けっしゅ)と診断され、現在も意識が戻っていない。
24時間介護が必要で、04年11月にホームヘルパー2級の資格を取った母親(43)と外部のヘルパーの介護を受けている。女子生徒は中学入学後に柔道を始めた初心者だった。
原告側は、県と市に対し「顧問らが練習に立ち会うなどの安全配慮を怠った」、男子部員に対しては「女子生徒の技量や身体状況に全く配慮することなく、暴行を加えた」としている。
事故を巡っては、須賀川署が05年9月、監督を怠ったなどとして、当時の顧問教諭(42)と副顧問の講師(31)を業務上過失傷害の疑いで福島地検郡山支部に書類送検している。
(太字は引用者による)
上記ニュース記事のタイトルと第1段落だけを見れば部活の練習中の事故だと読めますが、「練習」とは合意の上で行うもの。一方的な「しごき」や「制裁」目的で技を掛ける行為は「練習」と呼ぶに値しません。男子生徒は当時13歳だったので刑法上の罪には問われませんが、実質的には「事故」ではなくれっきとした「傷害事件」でしょう。
また、2億3000万円の賠償要求は一見高額に思えるかも知れません。しかし、急性硬膜下出血は極めて予後が悪い症状であり、正常な生活への復帰はまず望めません。被害者の両親の心情からは妥当な要求金額だと思います(司法が認めるかどうかは別ですが)。
【参考サイト】急性硬膜下血腫(脳外科疾患情報ページ)
このような事件を防ぐにはどうすれば良いか?
一般に、中学生の精神は大人から見るとまだまだ未熟。特に運動部は、下級生に対する理不尽なイジメやシゴキの温床になるケースが少なくありません。そこで、「公立中学校では、顧問が見ていない状況での運動部の練習は禁止」と法律で定めることを提案します。更に、「部員からイジメの訴えがあり、かつそれが事実と確認された時点で、その部活は強制永久解散」、と法律で定めれば良いと思います。厳しいと思われる方も居るでしょうが、この程度の指導ができない中学校に部活をやる資格はないと私は思います。
部活解散となると、罪の無い部員が巻き添えを食ってしまいますが、スポーツを真剣にやりたいなら、悪風が罷り通る部活などを見捨てて、優れた指導者が居るクラブチームに加入すれば良いと思います。
個人的には、中学の運動部一律全廃でも構わないと思っています。