今日は、6000人を超える死者数を記録した日本史上屈指の大地震である阪神・淡路大震災から10年。当時、私は既に首都圏に在住していて、近畿地方には知人親戚が誰もいなかったこともあり、直接には地震と無関係だったのですが、報道される被害状況の凄さや、日が経つにつれて増えていく死者数に慄然としたことを昨日のように覚えています。
当時の被害状況については、次のpageが詳しいかも知れません。
阪神大震災 災害画像(防災システム研究所)
さて、阪神大震災級の地震が首都圏で起こったらどれほどの被害が出るか。様々な関係機関が予測を立てていると思います。たとえば、東京都は2012年4月に次のような想定を発表しています。
<首都直下型地震>新たな被害想定の要点
たとえば東京湾北部地震(M7.3)の場合の想定死者数は9700人。2003年には政府中央防災会議が死者12000人の予測を発表していて、それに比べれば減っているとはいえ、かなり大きな数です。
では、建築等の専門知識に関してはド素人である私が、独自の視点から首都圏直下型地震の被害を予想しておきましょう。
【結論】死者数は阪神大震災を大きく下回り、3桁程度になると思います。
以下、その理由を書きます。
阪神大震災のときは、皆が油断し過ぎていたため、被害が極端に増大したと考えられるのです。当時、近畿地方一帯では大地震が起きにくい、と思っていた人が多いのではないでしょうか。(「関西 地震は起きない」でGoogle検索)
正直、私もそう思っていました。私の中学時代の理科の教科書を素直に読解するとそのように判断できたのです。現在の教科書の記述は知りませんが、かつてはプレート間地震に関する詳しい記述があった一方、プレート内地震について書かれていた記憶がありません。実際、同様のことを指摘している高校の先生がいらっしゃいます。
【参考】「地震防災教育からみた地学教育の必要性」
このような油断のせいで、住民の多くは火災対策や家具の転倒対策等を十分に行っていなかったでしょう。また、建築関係者の中には、どうせ地震の無い地方だからという理由で建築物の耐震を無意識に疎かにしていた人が相当居たはずです。阪神大震災は、これほどの悪条件の中で起こった地震なのです。
一方、首都圏は、地震の危機が繰り返し叫ばれてきた地域です。プレートの境界が近くにあり、実際に1923年には関東大震災という大規模なプレート間地震を経験しているからです。おそらく、平均的な住民の防災意識は1995年当時の関西の人々よりは遥かに高いでしょうし、大抵の建築関係者は手を抜かないでしょう。
以上の理由により、首都圏での地震の被害は危惧されているほどにはならない、と予測しておきます。
ただ、以上は科学的な予想ではなく、余り信頼できない可能性があることをお断りしておきます(もっとも、現時点での科学的予測の信頼度も五十歩百歩だと思いますが)。
また、この種の被害予想は多めに悲観的に見積もっておいた方が、防災意識の啓蒙には良いのでしょう。死者9700をはじき出した東京都の予測にはこのような思惑があるのではないかと睨んでいます。
【後日追記】 上の文章では、死者数を相当低く見積もりました。しかし、個人のレベルでは、家具や家屋の倒壊や火災に巻き込まれたら死ぬので、油断して良いはずはありません。また、電気・水道などのライフライン寸断は確実に起きると思われます。その際にどのように行動すべきか、普段から確認しておく必要はあります。
【更に追記】 2005年の後半以降、いわゆる「耐震偽装事件」が明るみに出ました。上のエントリでは死者数を3桁と予測しましたが、仮に耐震強度が弱い建物が蔓延っているのなら、やはり4桁の死者数を覚悟せねばならないでしょう。
的確な予想だと思います。新潟県中越地震で二桁程度の死者で済んだのは、やはり神戸の震災以降、防災意識が高まっていたためだと考えます。
思えばあれから 10 年経つのですね。
逆に、インド洋地震津波では、沿岸諸国の津波に対する意識がほぼ皆無だったことによって、被害が倍増したように思われます。
必見: http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/25.html
―06.11のCOP12の成果なき終了と同期化して、新段階開始
必見:http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/25.html
英、日本、韓半島も上海も
沈没迫る 2007年
07.1.1 たつまき
http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/25.html
柏崎原発沖地震は台風4号と同様、米ブッシュ政権による対日攻撃だった
詳細は:http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/45.html