2006年01月22日

鳩を燃えるゴミに出した小学校の件

一般に、犯罪などの法規違反のニュースへの意見を述べる際には、「ルールを破った奴が悪い」としておけば、殆ど異論は出ないものです。

ところが、法には触れないものの特定の倫理観やマナーに反する行為に対する意見は、人によって大きく異なることがあります。ブログでこの種の意見を書いた場合、下手をすると異論コメント等が大量に殺到して炎上状態になる可能性すらあります。
【関連過去エントリ】マナー違反注意は失礼だ

さて、次のニュースも人によって様々な捉え方があるでしょう。私は自分のサイト領域内に異論を書かれるのを好まないので、念のためにコメント欄を閉じます。反論があったらトラックバック経由でどうぞ。

ハト:ふん害に困り燃えるごみで処理 大分・竹田の小学校(毎日新聞)
 大分県竹田市の市立小学校がハトのふん害に困り、ハトを捕まえて燃えるごみとして出していたことが分かった。同校は「児童の健康被害が心配で、やむを得なかった」と釈明している。市教委は「教育現場として配慮に欠けた」としているが、校舎に集まるハトの対策に他の学校も頭を悩ませている現実も指摘している。

法律面で一つ気になることがあります。ハトといえども野鳥なので、無断で捕獲したらいわゆる「鳥獣保護法」の第8条に触れます。ただし、都道府県知事の許可が下りれば害鳥の捕獲はできます。このケースでは、申請すれば許可が下りる可能性は高いと思われますが、学校が許可を得ていたかどうか、ニュース記事では言及されていません。とは言え、言及がないということは、法律的問題はクリアされていたと仮定した上で、続けます。

さて、教育的配慮を抜きにして、ハトを捕獲して殺す行為をどう見るか。

私は、児童の健康を守るためなら、ハトの殺害自体は倫理的に殆ど問題ないと考えます。少なくとも現代の日本では、人間以外の動物の命より人間の健康を重視する価値観が一般的だと思われるからです。夏の夜に部屋を飛び回る蚊や、台所で蠢くゴキブリを殺してしまう人は少なくないでしょう。この事件もそれと同じ。

尤も、「昆虫は殺しても良いけど鳥は可哀想」という意見もありそうですが、私はそういう考えを採りません。どちらも同じ生命だからです。

ただ、ハト殺害を児童に知られるのは教育的にまずいと思います。教師が意図を説明して正しく納得してもらえればそれでも良いでしょうが、相手は未熟な小学生。下手をすると教師不信を招いたり、生命を軽視する児童が現れないとも限らないからです。

 同校によると、教頭が04年秋から昨年春にかけて、休日や放課後などの児童がいない時間帯に、プールごみをすくう約2メートルの網で計約10羽の成鳥を捕獲。その場で殺すことはためらわれたため、ごみ袋に入れて倉庫に保管し、他の教諭が週1回の収集日にごみとして出した。昨春以降はハトが減り、捕獲をやめたという。教頭は「捨てた時はほとんど死んでいたと思う」と言う。
 教頭は「ぜんそくを抱える子もおり、児童の健康を考えると他に方法がなかった。いい方法があるなら教えてほしいぐらいだった」と話した。
 市教委によると、市内の他校では網や竹のササでハトの侵入を防ぐなどの対策を各校で取っているという。市教委学校教育課は「命の尊さを教える現場として問題があった。ただ、ハトのふん害は妙案がない状態」と話している。<

記事を読む限り、関与した教頭や教諭は児童に見られないように注意しつつ実行していたようです。ならば、なおさら無問題。ゆえに、私はこの件に関してはほぼ全面的に学校側の言い分を支持します。

ところで、何故ばれてしまったのでしょうか? 誰かに見られたか、教師の中に「密告者」が居たのか…(これは嫌な感じ)

毎日新聞の記事は、最後に専門家の談話を載せています。
教育現場と小動物の関係に詳しい中川美穂子・お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター研究協力員(獣医師)の話 「最大の問題は、外部に相談せずに措置をしたこと。学校は命の大切さを教えているだけに、学校だけで悩まず最初に専門家に相談していれば、何らかのアドバイスが得られたはず。外部に相談することが、地域で学校を守り、学校を地域に開くことにもつながる」

外部に相談してハトを殺さずに撃退できるならば、確かに最善。最近は、防鳥剤や防鳥工事などの技術も進歩し、それなりに効果を挙げているようです。同様にフン害で悩まされている学校にとって、検討に値する技術だと思います。ただ、費用や時間がネックになる可能性はありますが…

【参考サイト】
■防鳥工事を開拓 ハトの“フン害”も解決(伊賀タウン情報YOU)
■マンション要注意■繁殖の季節は目前です ハトのフン害?! 回避術(All About)


posted by D Slender at 04:40 | ムンバイ 🌁 | TrackBack(1) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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「鳩を燃えるごみに!?」(後半ちょっとグロい)
Excerpt: 職場で先日の新聞記事のスクラップが回ってきたので、目を通していたらこの記事が…。 大分県竹田市の小学校で、鳩のフン害に悩んだ末に、「生きたまま」の鳩を捕まえて(この後書く勇気が出ない…) うちの職場..
Weblog: In the middle somewhat…
Tracked: 2006-01-25 19:25
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