2009年05月25日

狂犬病唯一の治癒例について

狂犬病と言えば、あらゆるウイルス感染症の中で致死率最強の病気として知られています。幸い現在の日本には存在していませんが、世界では毎年推定5万人がこの病気で死亡しています。当ブログでも、かつて何度か狂犬病をとりあげました。
【関連過去エントリ】
狂犬病国内36年ぶりの狂犬病死者

狂犬病の発症後致死率はほぼ100%です。発症後に助かった人は世界中で過去に6人しかいません。そのうちの5人は発症前にワクチンを接種していたので、ワクチン無しで狂犬病から生還したのはたった1人ということになります。

さて、そのたった1人の事例について詳述している日本のpageを見つけました。
狂犬病を発病した患者の最初の回復例(徳島大学)
 文献のオンライン検索で、狂犬病の治療に参考になる論文は見つかりませんでした。これは助かった例がないため当然と考えられます。ウイロビー医師が次に注目したのは、ほぼ30年間、狂犬病専門家が疑問を抱いてきた謎です。狂犬病で死亡した患者の脳には見たところなにも異常がないことです。もうひとつは、ICUで数週間生きながらえたのちに死亡した人では、もはやウイルスは見つからないという点です。ウイロビーは、免疫系はウイルスを排除できるのだが、排除が起こるのは患者の命を救うには遅すぎると考えたのです。

 狂犬病ウイルスはたしかに脳を乗っ取って人を死亡させるが、脳の
組織自体に直接、傷害は与えていない。もしも、長い間意識を失った
状態を保てるよう慎重に薬を使って、機能異常になった脳の働きを抑
えることができれば、脳の大混乱を抑制して、患者の免疫系が追いつ
くまで生かすことができるのではないか、と考えたのです。

この治療法が成功したのは1例のみで、他の6例では失敗したことも記されています。ゆえに人類の狂犬病克服には未だ程遠い状況ですが、希望が皆無ではないことも確かでしょう。
posted by D Slender at 23:33 | ムンバイ ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 科学・教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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