2008年12月08日

「ヒトラーは偉人」の不適切

一般に、公人や有名人が戦争関連の歴史認識についての発言をするときは、相当に注意しなければなりません。歴史認識には誰もが納得する絶対的正解が存在しない場合が多く、自論と異なる意見に対して強烈な拒否反応を示す人が少なくないからです。

取扱いに最も注意を要する話題は「ナチスまたはヒトラー」、次いで「原爆」だと思われます。日本国内と一部の国々においては「先の大戦における日本軍の侵略行為」も相当な要注意トピックです。

「ヒトラーおじさん」偉人 アイドル不適切発言でテレ東謝罪(産経新聞)
 テレビ東京が4日放送したバラエティー番組「よろセン!」で、アイドルタレントがナチス・ドイツの独裁者、ヒトラーを「世界の偉人」として紹介したとして、同社は8日、「誤った歴史認識に基づく不適切な内容でした」としてウェブサイト上で謝罪した。

 放送されたのは、同番組の「世界偉人DEN!」のコーナー。アイドルグループ「℃−ute」のメンバーがヒトラーを「ヒトラーおじさん」と呼び、その演説には癒しの効果があったなどと紹介。放送後、ネット上の掲示板などで批判の声が上がっていた。

 番組の制作会社、エス・エス・エムも公式ブログで謝罪。原因について「社内のチェック体制が甘かった」と説明している。

【関連リンク】テレビ東京の謝罪page

ヒトラーは当時のドイツ民衆の多数を魅了する能力を持っていたわけで、少なくともその意味で偉大であったことは確かだと思います。だとしても、メディアや公の場で“偉大”や“偉人”などと形容することは許されないわけです。こんな現状を好ましくないと思う人も居るようですが、ドイツは第2次大戦の敗戦国だから仕方ないわけです。戦後60年以上経っているから構わないではないか、という論理は通用しないのが現実です。

戦勝国の歴史認識に従わざるを得ない(たとえそれが不正確な認識であったとしても)のが戦敗国の定めです。だからこそ、滅多なことで戦争なんかしてはいけない、と私は思っています。
posted by D Slender at 23:35 | ムンバイ 🌁 | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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